センゴク権兵衛(12) (ヤングマガジンコミックス)

戸次川の敗戦の責任を負って高野山にこもる仙石はがむしゃらに出世を目指してきた人生では味わえなかった庶民の哀歓を知る。一方、主なきあと、統治者としての孤独を生きる秀吉は徐々に庶民の感覚を失っていく。そこに仙石が再登場する意義が出てくる。ところで、座敷に座ったまま庭を蝶が飛ぶのを察知するのは鎌倉時代の僧明恵の逸話に出てくるクモの話に似ている。達人の域に至ると居ながらにしてドローンからみおろしたような知覚が得られるのだろうか。