白雪姫

コビト牧場に白い仔馬がやってきたのはまだ山に雪が解け残る春のころだった。スノウホワイトと呼ばれた仔馬はおっとりしてお姫様のようだった。あとからやってきた別の仔馬は体に7個のぶちを持ちセブンスドアーと呼ばれていた。これをセブンドワーフスに改名してスノウホワイトの友達にしてくれたのは調教師のアイデアだった。おっとりした仔馬は競争相手ができたことでのびのびとたくましく育っていく。スノウホワイトを売りに出した厩舎では別の牝馬ソーサリークイーンが期待を集めていた。すでに盛りを過ぎたマジックミラーに代わる稼げる馬を必要としていたからだ。マジックミラーと競わせることでソーサリークイーンはレースの呼吸のようなものを吸収していった。騎手はささやいた「世界で一番速いのは誰?それはあなた。鏡に聞いてごらん。」

さて3歳になったスノウホワイトはレースに出馬する日が来た。