クユプ

クユプは生まれつき足が悪かった。ジョルキアはクユプとよく船で川に出かけた。水の上なら足の弱さは気にならないのだ。二人は浅瀬の葦の茂みをかすめながら魚を探して遊んだ。クユプというのは実は浅瀬に生える3枚花弁の白い花のことで、ジョルは「ほら、お前の花が咲いているよ」とからかった。一方ジョルキアというのは葦の間をねぐらにする細長い魚のことで、クユプは「またジョルキアしか取れないわ」とからかった。そんな二人も大人になるとお互いの立場の違いに直面する。(嘘です)