「それにしてもずいぶんと待たせる病院ですね。」
「それはあなたが考えていらっしゃる病気の重さに対して不釣り合いに待ち時間が長いということではないですか?」
「そうかもしれないけど、ほかにかかる病院が思いつかないので。」
「外出先でちょっとおなかがすいて、待合せの時間の合間に軽食を取りたいとなったらどこへ行きますか?」
「カフェとか、かな?」
「そのときに”自分くらい趣味のいい人間はメディアで取り上げられるような雰囲気のいいとこで味わわないと不似合いだ”なんて考えだしたらどうでしょう?」
「選択肢が狭まりますね。例えばドトールじゃあ不似合いだ、とかいいだしそうで。」
「それほど重要性が高くない場合にはそれなりのところへ行けばいいってことですね。なんでもできる総合病院に行って自分だけは待たせるなって言いだしたら、”下々はこんなとこへ来るなよ”と言っているのと同じですよ。」