空白の恐怖

長く使われていないだだっ広い空間にはどことなく恐ろしさがある。ゴヤの版画に「理性が眠れば妖魔が目覚める」というのがあるが、思考を統御する理性がお休みすると取り留めのない幻想が思考を埋めていく。idleというのは恐ろしいものなのだ。もともと自頭が悪くない人でも、その能力を生かし切らずidleのままに置いておくと非現実的な恐怖や過大な希望にひたってしまう。自ら作り出した仮想現実の世界に溺れてしまうのだ。