酸素のできはじめ

20億年くらい前だろうか?酸素を発生する細菌が増え始めたころは「そんな危険なガスを処理もしないで放出するなんてなんて無責任な奴だ」と非難するものもおらずダダ洩れだった。幸い海中に鉄イオンが多かったので酸化鉄となって海底に沈んでくれた。酸素を放出する光合成細菌は大繁殖した。「いつか鉄イオンが不足する日がくるんじゃないか?大丈夫なのか?」という声がすることもなく何億年かが過ぎ、ある日ついに鉄が底をついて酸素が大気中に漏れ始めた。酸素に耐性のない細菌たちは低酸素の環境を求めて海底や地底へと居を移し始めた。その後一時的にキャンフィールドの海が出現したときには嫌気性菌たちは活動の場を広げたが、エネルギー効率のいい有酸素生物らの地上支配を奪うまでには至らなかった。今また人類の活動が大規模に地表の環境を変えつつある。「こんなにプラスチックを海に流してどうするんだ」という声にも、やがてその環境を糧とする生き物が現れて化石化した人類をエネルギー源に利用したりするのかもしれない。

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