約束

ヌトリダテコはテコ川流域の物流を支配する勢力に成長した。それを支えたのが上流域の砂鉄と森林を支配できたことだ。鉄の貿易は周辺の部族との関係を支配した。信頼関係のある相手にしか高品位の鉄を渡さなかったからだ。鉄の取引は海外へと広がっていった。そのころから海の中にも川のような流れがあり、それをたどると1000km離れたところへも行けるといわれていた。問題は帰り道の手段がわからないことだった。あえて近海を超える海のかなたに遠征しようというものはなかなか現れなかった。